多分昭和42年頃の写真。この頃は11月23日の勤労感謝の祝日の飛び石連休を使い、数日の雪上訓練を富士山の6合目位で行っていた。又、この頃は五合目でも積雪が10~20cm位は積もる事もある位で今よりもずっと雪が多かった。
ネガフィルムの保存状態が最悪です。
上の写真はアンザイレン(ザイルで同行者を繋ぐ)している時の滑落の訓練。横になっている人が滑った人
上の写真は休憩中だが、人物の後ろに雪煙が吹き上がっているのがわかる。この辺の雪は完全にクラストしていて硬いのだが、多分ちょっとした吹き溜まりの雪を巻き上げている。兎に角この頃の富士山は風が強い。9合目付近では三点確保をしないと簡単に吹き飛ばされる。
カメラを斜めにして取っているので傾斜が伝わらないが、ピッケルで掻いた雪しぶきでわかるかな?富士で滑ったら何もしないと下まで一直線。万が一止まれなかった時の為に下にザイルを張って数人で待機している。
上の人は利き腕が伸び切っている。下の人の様になってないと止まりにくい。
でも私は3月の大天井の頂上直下で滑落したが、30Kg以上のキスリングを背負っていたので、止まった時には完全に利き腕が伸び切っていたし、体も完全に伸び切っていて、上でリーダーがアイゼンで足場を確保しろと言っていたが、ひざを曲げることも出来ず、ピッケルを持っている腕を曲げることも出来なかった。リーダーが私の下に来て、滑らないように確保しやっと立ち上がれた。